リビセンのこと:古材をリユースして酒屋の箱を作ってビールを呑んできた!
8月に研修を兼ねて、スタッフ全員で北八ヶ岳を訪れたのだが、途中、上諏訪まで足を伸ばし、かねてより気になっていたリビルディングセンタージャパン(通称リビセン)を訪れた。
リビセンは、建物の古材や建具、古物などを販売するリサイクルショップで、
それらを加工/修理する工房と、居心地の良いカフェを併設している。
なぜジャパンが付いているのかというと、アメリカのオレゴン州ポートランドにある、本家リビルディングセンターの名称やロゴを正式に引き継いでいるからだ。
上諏訪では、過疎化が進み、古い家屋が次々と姿を消していると言う。
ショップで取り扱っているのは、上諏訪周辺で持ち主の依頼を受け、解体/救済したもので、それらを木材ととして加工したり、修理したりして、販売している。
こうした救済活動を彼らはレスキューと呼んでいる。
誰かが不要としたもの、もしくは何らかの理由で保持できなくなったものに、新しい価値を見出し、次の世代に繋いでゆく、ということを日々の営みとして行っているのだ。素敵。
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リビセンは、JR中央本線 上諏訪駅から徒歩10分ほどの、古いビルにある。入口を入ると柔らかい光が差し込む程よい広さのカフェスペースが待っていて、大きな窓の外では、スタッフが黙々と作業をしている。勝手な思い込みかもしれないが、自由そうで、のんびりしていて、楽しそうにもみえる。
2・3階の広々とした売り場には「面白そうな物」が所狭しと並べられており、資料館や博物館のようでもある。
どこの誰が使っていたのか、意味ありげな表情をした品々を眺めながら、そぞろ歩いていると、はじめは気にもとめていなかった物が、何かとても良いものに見えてくるから不思議だ。
何度も手にとっては戻すを繰り返しながら、予定では、サッと立ち寄る程度のはずだったのだが、すっかりテンションがあがってしまった私たち、たっぷり2時間は徘徊していただろうか。
カウンターのスタッフの方と、他愛もないおしゃべりもして。
丁度お昼時だったので、名物のリビセンカレーをいただき、その日は後ろ髪を引かれながら次の予定地へ向かったのだった。
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誰のためなのか、都心では相変わらず、新しいマンションや、巨大なビルが次々と建てられているが、超高齢化社会がはじまり、人口は減少し、そしてそれはしばらく続いてゆく。
首都圏でも空き家問題が深刻化していて、地方では「消滅」してしまいそうな市区町村がある。未来の町並みはどんなふうになっていくのだろう。
そうした時代だからこそ、前の世代と次の世代とをつなぐ、リビセンの取り組みは、社会に必要とされているのではないか。
天職とは、「好き」「楽しい」「社会から必要とされる」が重る仕事だと聞いたことがあり。その時なるほど思ったのだが、リビセンには、リビセンの仕事が天職!というような人が集まるような気がした。そんな空気があったと思う。
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後日FaceBook経由で、私の実家からほど近い「川越」で、リビセンが出張ワークショップを行うと知り、参加することにした。
ワークショップは、140年続いてきた酒屋のリニューアルプロジェクトの第一回として開催されるもので、ワインボトルを陳列する木箱をリビセンの古材で作り、作業終了後は生ビール飲み放題、という魅力的な内容。
大工スキルはさほど必要ないが、労働力の必要な作業を、ワークショップにしてしまおう、というやり方も、リビセンらしくて気持ちが良い。
なかなかハードな作業だったけれど、地元の方々に混ざって、
DIYを楽み、美味しいビールを頂いた。
弊社でも、お金ではなく、お米をいただいてWebサイトを作成したことがあるのだが、差し出す労力と見返りが釣り合いさえすれば、お金を介さない仕事があっても良いと思うし、なんだかワクワクする。もちろんそれだけでは、会社は成り立たないのだけど・・。
この「かどや」さん、角打ちもやるという事なので、
完成した折には、きっと飲みに行くつもりだ。
どんな空間ができあがるのか、今からとても楽しみである。
小森
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◯ReBuilding Center JAPAN
http://rebuildingcenter.jp/
◯廃材利用で豊かな暮らしを。信州諏訪にリビルディングセンターをつくる! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/9801
◯酒屋の後を継ぎます。リニューアルします。
https://marukeikadoya.blogspot.jp/?m=1
◯Webサイトをお米と交換で作ってみること(クイーンズメドウ・カントリーハウス)
https://www.gram.co.jp/blog/blog_id1813/