奥さん、鰹節削り器つこてますか?
鰹節をけずっている。たぶん40年ぶりくらいだ。
子供の頃には、実家にもあった鰹節削り器。
もう何十年も、パックに詰めて売られているものをそれなりに美味しいと思って使ってきたから、40年後に改めて鰹節削り器を買うとは思わなかった。が、
「鰹節は削りたてじゃないと本当の美味しさはわからない。それを知らないのは残念だ」と
云われ、このまま知らずに残りの可哀想な人生を生きてはいけないと思ったのである。
それにしても、硬い。自分の頭を軽く叩いてみれば、痛い。
食べ物をこんなに硬く加工するとはどういうことなのか。
その起源を知りたくなって検索をしてみるに、発祥はなんとモルディブだという。
モルディブでは鰹が漁獲量の70%もあり「鰹=モルディブ・フィッシュ」というらしい。
防虫を目的に発達した加工技術なのだというが、世界中で食習慣として鰹節が認知されているのはモルディブと日本だけとのこと。
モルディブといえば天国にいちばん近い島、ハネムーンリゾートの代表格だ。
黒潮で褌男が一本釣りで、、というイメージからは遠くて驚いた。
日本では江戸中期にその製法が発達し、兵糧食としても重宝された。
「勝男武士」と縁起を担いだというのもまた面白い。
そんなわけで、削りたてを冷奴に乗せていただく。
・・・む、なんだこれ、凄く美味しい!
わー。UMAMIがおくちのなかで狂喜乱舞。
ありがとう、モルディブの昔の人。
グラム・デザインでは今後鰹節パックを買わない、と思う。たぶん。
まだパック鰹節をお使いの奥さん。人生損してますよ、きっと。
◎参考情報
鰹節の歴史
上記の情報はこのサイトから。ありがたい。
http://www.daiyan.jp/history.html
鰹節削り器
最近はあのおじいちゃんの大工道具(あれもいいけど)みたいのじゃなくて、
そんなに場所をとらない、おしゃれな削り器がでています。
http://www.dai-ya.com/
鰹節の解説
鰹節の形って1つだと思っていたら違うのですね。
背節(雄節)、腹節(雌節)があります。
お魚だった頃の頭と尻尾は切り落としてあるけれど、鰹節となった今でも頭がどちらか知らねばなりません。
目に逆らわずに削らないといけないからです。「順目」といいますが、木材に鉋かける時と一緒ですね。
こんなことがわかるとちょっと嬉しい。
削り方や保存の方法、小さくなったらどうする?など、
詳しい解説をしてくださっている方がいます。
http://temaeitamae.jp/top/t8/pit/07.html